合羽を着て散歩に行く犬
久々に一句詠みました。
さてこの場合、合羽が季語になりうるかだとか、どうしても散歩に行きたかった犬の純真さなど、白熱した論議になろうかと思います。
しかしさっき僕が見た光景をただ連ねただけだということ以外に何の意味がありましょう!
まあ上の文章それ自体に別に意味はなかったんですが、ここでふと思い出した話をしますね。
100年ほど前に起こった芸術運動ダダ。当時の空気感を反映して各国で湧き上がった、既存価値の否定から新しい価値を見出そうとする動きでした。
有名なのは、なんといっても便器 でしょう。
馬鹿馬鹿しくトリッキーで、なんだこれ?!と思わせること、そこに大きなポイントがあったのです。これはダダ以前、以降と歴史を二分する(ホギャア)区切りを付けられるくらい歴史的なことだった気がします。
そしてその流れは表現活動全般にわたって広がりを見せました。
カテゴライズすることが無粋に思えますが、詩の形態をとった作品でトリスタン・ツァラという作家が発表したものをご紹介します。
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ダダの詩を作るために
新聞を持って来なさい。
はさみを持って来なさい。
新聞の中で諸君が詩に与えようとする長さの記事を選びなさい。
その記事を切り抜きなさい。
次にこの記事の単語を一つ一つ注意深く切り離し、それを袋の中へ入れなさい。
静かに振りなさい。
それから一枚ずつ順に取り出しなさい。
袋から出てきた順番のまま、
正直に書き写しなさい。
詩は諸君にふさわしいものとなるであろう。
こうして諸君は不滅の独創的作家となる、たとえ人々に理解されなくても、魅力的な感受性をそなえた作家となるのだ。
作品例
「犬たちが理念と脳波の突起のごとくダイヤモンドの中で空気を横切ると目覚ましの時刻がプログラムを示す」
価格 それらは昨日 適して それから絵画 / 評価する 夢を 目の時代 / 豪華なこと 朗読する 福音書 ジャンル 曇る / 集団 神化 想像する 彼は語る 宿命 色彩の力 / 切断 弓形 当惑した 現実 魔力 / 観客 みな に 努力 その もはやない 10 まで 12 / あいだ 放浪 急回転・・・
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実際は・・・の後にもうちょっと続きますが、推し量るべしといった感じですので割愛しますね。
意味が無いこと自体に意味があるという構造です。これが100年前のものというのですから驚きです!当時は衝撃だっただろうなー
ダダ以降、あれほどの転換点はいまだ見つかっていないように思います。
タケコプターを可能にする反重力技術の発明ばりに歴史的な瞬間。いつか立ち会えますように。
さて合羽犬を目撃してから長々と書き連ねてきましたが、休憩している場合じゃなかったんですよね・・。ちょっと逃避行しておりました。
現在進行中のこのプラン、某バーとコラボしております。
詳細は後日!