全国のレトロインダストリアルデザインマニアの皆さん、お待たせしました!
街で見かけた前時代の遺物、過ぎ去りし時間に思いを馳せる一品たちのショータイム!
用事でどこかに行くときには通ったことのない路地を探索し、撮りためた秘蔵の写真をご覧頂きましょう。
お茶でも飲みながら、わたくしの密やかな趣味にお付き合いください・・。
新興住宅街に漂う、良くも悪くもフェイクな感じは魅力的ですが、古い街のほうがオヤ、と思う発見は多いですよね。
それはただのカワイイではなく、ダサい、古臭い、といった感覚を超えてやってきた、「一周してカワイイ」というジャンルなのであります。
昔はそこらじゅうにあったであろう量産型の製品も、今となっては見かけることの少なくなったものばかり。
そうなりゃなんだか気になってくるってもんです。
今回はその中から、ここ最近のマイブーム、電気メーターのケースを特集します!
街角にひっそりとたたずむ古い建築の、隅っこに存在する彼ら。
多くの場合、街の空を結ぶ電線と同じように、デザインを崩すものとして扱われがちですが、気にして見ているうちに面白くなってきたのです。
近年のケースは経年変化が唯の劣化にしかならない、プラスチックの味気ないものです。
ひと昔前のケースは金属製、鉄で作られていました。そのため設置場所によって個性的な変化を起こしているんですよね。
熟成したといえる、不快もとい深い味わいをご堪能ください!
まずはこれからいきましょう。比較的、保存状態がいいタイプです。
本体のこじんまりとしたサイズ感は、小さいものが得意な日本人の本懐か。これが旧タイプの基本サイズです。
ツヤの引けた塗装に、今後の成長が期待できますね!
この場所でどれだけの雨風を受けたのだろう!
ぶらりと垂れ下がる電線が、健気に手を振っているように見えなくも無い、かも知れない。
スリムな長身タイプも見かけます。
なんとバランスのとれたプロポーション。無駄がありませんね!
加えてこの色彩ですよ。出そうったってこんな色は作れません。
傘だけ、という展開もあったようです。
守るべきものを失ってなお、役目を果たすその姿よ・・。
そうして誰もいなくなった・・。
こうしてみると、電気メーターケースの完成度の高さが分かりますね。
合理主義のガス配管、混沌を表す壁面の造形、そして命の象徴として赤いバケツ、この組み合わせが偶然の産物だとは、にわかに信じがたい!
↑演出
ポツンとこの場所で過ごして参りました。
月に一度やってくるメーター検針員から、あなたの行方を知りました。
セメント樽の中の手紙のような、プロレタリア文学が出来そうです。
おしまいはこれにします。
出町柳駅の近くにある、素晴らしい場所です。じつはこれを発見したときにメーターの魅力に気が付いたんです。
もはや言葉は要りませんね。乾杯。