町で見た

8月12日の。

滋賀県は八日市市。ここは空が広くて印象的な場所があります。夕暮れ時には圧巻の情景になることが多くて、こういうのが田舎の良さだなあと思うわけです。

この道はどこへ続くのだろうと細い道を進んでいたときに、竹やぶの奥に見つけました。

10年ほど前に発見した謎の構築物。

突然、視界の隅に大きな影が見えたのです。
当時は管理されていなかったのか、木や竹に飲み込まれそうになっていました。
分け入っていくとそれはトンネルのような形に作られたコンクリートの空間で、目的がまったく分からない謎として僕の中で珍スポット登録されたのでした。
それから数年後、その場所は木々が掃われて、看板が立てられました。

謎の建造物の正体は、戦争遺跡だったのです。
掩体壕(えんたいごう)と呼ばれるそれは、空襲時に飛行機を隠すために作られたものでした。
飛行場があったとは驚きですが、空の広さからいえば納得です。
僕が知る限り、現在も残る当時のおもかげはこの場所と、

この石碑だけ。
戦後60年ほどで、価値観や論理感はもちろん、ものとしての記録すら埋まっていくということを思います。
変化し続ける世界の中で、忘れずにいることは、意外と難しい。
当時の人々は洗脳されていた!間違っていた!という前提を一度捨てて、どうしてあの流れになっていったのかを考えたいものです。
確かこの掩体壕、文部科学省が選定した「日本に残るマイナー戦争遺跡」の格付けでかなり上位にあったはず。
すでに近づくのは危険な状態ですが、修復されてしまうと時間の経過は見えなくなってしまいます。
当時の空気を感じられるうちに是非、見て欲しい場所です。
↓ミドリの矢印のとこ。

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