セイへロー、そしてやあ。ウケン★ムケンです。
わたくし昔から写真を撮るのが好きだったのですが、それを整理するのは好きではなかったようで、プリントした後は段ボールにポーイと放り込んでおりました。すっかりデジカメがメインになった今、開かずの間となったその箱をひとつ清算しようじゃないかと思い立ったのです。
マイクを片手に仕分け作業を進めていると、ちょっといいなと手が止まる写真も出てきた。作品に繋がった記憶や、数年来の変わらない興味を噛み締めております。
今夜はそんな写真をご紹介しましょう。プリントしたものをカメラで再撮影したのでドリーミーな描写になっていますが、ぼんやりとした記憶を伝えるという場合にはそれもまた一興。では行くぜ。
最近、道すがら池に沈みかけたボートを発見。あら美しいですねとシビれていたのですが、これを撮影したのは4年ほど前。定期的にいいボートがある絵に出合うようです。
お好きな方ならすぐ分かるでしょう、このシルエット。失われた聖地、軍艦島です。
当時はまだ上陸は許されない場所で、憧れは募る一方。知り合いに頼んで船ですぐ近くまで行ったのでした。
観光地になった途端、熱情が遠のいてしまいましたが笑
どこだったか忘れた巨大廃墟。
この向こうは海が広がっていて何もない。眼前にそびえる疑いの無い何かの痕跡、不完全さ、そういうものを通して今を見ることに惹かれていました。
白い給水塔を見つけて
夕暮れの給水塔に震えた。
電波塔も気にしておりました。
羽を持つものにある、無駄のない造形美。美しい色彩とその代償について。
ちなみにこいつは僕に特に懐いた蝶でございまして、口笛でこのように指に戻ってくるかわいい子でした訳ではなく、脱皮した直後に翅を伸ばす時間を過ごしてもらっただけです。
宮沢賢治の書いた、黄色のトマトを思い出させるこの景色。
岡山県にあるつやま自然のふしぎ館です。サイトではそんな色は出ていませんが、ここは世界に誇れる個性的スポットなのです。古い校舎を利用して夥しい数の剥製が展示してある。夕暮れ時に一人ここにいると、物語の中にいるような非現実を体験できます。あまりにもお勧めなのでリンクまで貼りました笑
さあおしまいはこのゆるライン君にしましょう。
どこかの海岸にあった物見台。嵐によって曲がったのか、錆びた細い足のバランスは非の打ちようがない!
思えばこの後から柔らかい線の造形を作るようになった気がします。
水平線に沈む夕日を背景に、ポツンとたたずむ彼。沢山の人でにぎわう夏を過ぎ、たまにやって来ては去っていく車だけを眺める冬を越え、また夏を迎える。少しずつ潮風に削られていくことなど何も気にならない。すべてを受け入れる存在であります。