少しずつ春が近づいてきましたね。
季節の変わり目はいつもなんだか少し寂しいような懐かしいような、静かな気持ちになります。
そういうときは心がざわついている状態ですので、逆に作品作りには向いているようにも思うんですよね。
以前から構想していた、花のリングを進めています。
モチーフになる花はあるのですが、今回は象徴としての花を制作しますので、名前は伏せておきます。
イメージはコスモスのような、少女が花びらをちぎって淡い恋の行方を占っているような花・・。つまりちぎりやすい花です!?
まああえて理由をいいますと、そんな微かな希望を形にしたいと思ったのです。
今回はワックスと呼ばれる、蝋で原型を作ります。
その準備というか、原型の原型として一枚だけの花弁を作る。
いきなりワックスで作る方法もありますが、このような小さい物は柔らかいワックスだと微妙なラインが作りにくいため、金属を削りだして制作。
小さい形のなかにも凸凹があり、そのなかに頂点があり、僅かなシワがあります。
惰性で形だけを追っていても生きた花にはなりづらく、どうしてそこにそのラインがあるのか、成長の過程や重力の影響などを考えると納得しながら写し取ることができるんですよね。
生命力や進化の過程を思うと、素直に感動することができて、そういう気持ちを意識的に維持しながら手を進めていきます。
さて、先ほど作った一枚の花びら。
満足いくことろまで仕上がったので、次の段階。液体シリコンで型をとります。
ここに溶けた蝋を圧入し、先ほどの花びらを複製する。
前もって制作していたオシベ部分の回りに取り付け、さらにそれぞれに表情を付けて仕上げていきます。
ここで重要なのは、これがオブジェではなく、アクセサリーとして身に着けられるものになるということ。
指あたりや強度の問題など、先のことを見据えた構造で作らないと、ボツになってしまいます。この数日間を無駄にはできない・・!
この後、ロストワックスという技法でこれを一度金属に置き換え、さらにそれを仕上げてようやく原型の完成です!楽しみ!