記憶ってなんだろう？
感じたことや考えたことや体験したこと、沢山の出来事が頭の中に収まってる。
でもその全てが箱に同じように入っているわけではなくて、底のほうに埋まっていくものもあります。
ちょっとしたきっかけで不意に思い出す記憶、
思い出すこともなくなった記憶、
だんだん薄れていくのを感じることができる記憶、
そういうのは人の「忘れる」という仕組みで起こること。
バックグラウンドで動いているプログラムのような、
「忘れる」をテーマに制作しました。
鏡文字になったアルファベットや数字を指輪に取り付けてあります。
目の前にいるあなたに押し付ければ、指輪の記号が残る。
内側にも同じようにあるので、
同時に自分自身にも、跡が残る。
そして誰かに付けた跡も、自分に付いた跡も、やがて薄くなって消えていきます。
こころが揺さぶられた出来事の記憶も、いつか形を変えていくということは、不思議なものです。
