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TOWERS

さて、今日は久しぶりの大物のご紹介です!
去年から進行していた長期プランでしたが、ようやく完成しました。
作家の血が騒ぐ!?マニアックな計画でしたね~
まずは制作にむけて描いたイメージ画をご覧いただきましょう!

これだけで何か分かる方はきっといないだろう・・。
一見、用途不明の謎めいたオブジェに見えますが、かなり明確なコンセプトのもとに制作いたしました。
それでは制作過程からいってみましょう!

ちょっとピンぼけ。完成予想図を見ながら作るわけですけど、立体的に目の前に現れるとサイズ感やディティールの感覚が変わってきます。
そこはやはり現物で調整していきます。

ここが正解、といった絶対的な答えのないものではありますが、個人的な正解はある。実際に配置しながら探していきます。
今回はライトも組み込むことになったので、ただ増築していくだけでは後々困ることになります。最後に配線する関係で熱を加えずに分解組み立て出来るようにしないといけません。
その後・・気が付いたら撮影するタイミングを逃し続け、仕上げてしまっていました・・。だいぶ長い工程だったんですけどね・・。

最後の最後にコーションプレートを取り付けて完成!感慨深い瞬間だったなー
今回の作品は「TOWERS」とタイトルを付けました。

螺旋階段や、

無駄に(!?)可動する機構部分があったりして。

そしてこの作品のキーワードでもあるこの場所。
もう分かっていただけたことでしょう、今回の作品は結婚式に使うリングピローなんです!
というかオブジェにリングピローな部分が組み込まれている、といったほうが近いかも知れません笑
シルバーに見えている部品、あれこそが出発地点、ゼロ地点で光あれな存在です。
よく見ると、文字が記載してあります。

左足 外側
なんとこの部品、折れた骨を固定するために、実際に使用されていたものなんです!左足の外側に装着されていたものなんです!もちろんネジも同様です。
これには物語がございまして、今回ご注文していただいたお二人が、晴れて結ばれるきっかけになった出来事の記憶ともいえる部品なんです。
聞けば長い時間を超えて成就した気持ちだったそうで、思わぬアクシデントから運命が変わっていく、ハッピーエンドのドラマを見ているような気持ちになりました。

それぞれ歩んでいたお二人の道が、重なって、同じ時間を進んでいく。
二つの塔の造形は、人を作るそれまでの経験を表しています。
そして塔を結ぶその部品によって、それぞれは結びつき、一つの構築物として強固な存在になるのでした。

実際に制作を始める前からずっと頭の片隅にあった計画でしたので、無事にお渡しが済んだ後はなんだか寂しかったです笑
プロポーズにお使いいただいた指輪や、結婚指輪、そして今回のような作品。
人それぞれが生きるドラマチックな物語に、触れさせてもらえる瞬間というのは、何度でも新鮮な感動です。
ご注文ありがとうございました。末永くお幸せに・・・。